相続による不動産売却で確定申告は必要?手続きや書類・税金について解説

相続で不動産を受け継いだ場合、その不動産を売却する際に確定申告が必要になるケースがあります。しかし、確定申告の必要性や手続き、税金についてよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、長崎県で相続手続き、それに伴う不動産売買(提携不動産会社での取り扱い)を行う本村法務事務所が、相続不動産売却における確定申告について解説していきます。
確定申告が必要なケース、手続き、書類、税金など、売却をスムーズに進めるために知っておくべき情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
※具体的な税務相談は、税理士業務となりますので税理士または税務署にご相談ください。

不動産を相続した場合で確定申告が必要なケース

相続で不動産を受け継いだ場合、その不動産を売却して利益が出たときは確定申告が必要になることがあります。具体的には、以下の2つのケースが考えられます。

1.売却によって利益が出た場合

相続で受け継いだ不動産を売却した場合、売却価格が取得価格よりも高ければ、その差額が利益となります。この利益は「譲渡所得」と呼ばれ、税金の対象となります。

2.特例が適用できる場合

相続不動産の売却時にかかる税金について、いくつかの特例が設けられています。
例えば、相続した家が空き家の場合、条件を満たせば売却時に譲渡所得から最大3,000万円の控除を受けることができます(※マンションは対象外)。

また、10年を超えて所有していた居住用不動産の売却に適用される税率軽減措置などもあるため、これらの特例が適用できる場合は確定申告を行うことで税金の負担を軽減できる可能性があります。

確定申告の流れと必要な書類

1.必要書類の収集

●不動産売却で必要となる書類

  • 確定申告書(第三票など)
  • 不動産売却時・購入時の売買契約書
  • 不動産の取得費や譲渡費用を証明する書類(領収書など)
  • 本人確認書類(マイナンバーカードなど)の写し

売買契約書は、不動産売買の際に不動産会社と締結する書類です。売却価格や売却日などが記載されています。不動産の登記事項証明書は、不動産の所有者や面積、地番などが記載されており、法務局で取得できます。

●特例が適用できる場合の書類
特別控除や税率軽減措置などの特例が適用できる場合、さらに必要な書類が増えることが予測されます。詳細は国税庁のホームページに必要書類一覧が公開されているので、そちらで最新情報をご確認ください。

2.確定申告書の記入

税額の記入欄では固定資産税や譲渡所得税の計算が必要となります。用いる数字や計算式が複雑なので、間違いのないよう注意が必要です。

3.確定申告書の提出

確定申告書は、税務署に郵送や直接提出する他、インターネットを用いたe-Taxでの申告が可能です。特に確定申告は毎年2月16日〜3月15日の間と期限が決まっており、窓口が混み合うので、スマホとマイナンバーカードをお持ちの方であればe-Taxの活用もおすすめです。

正しく確定申告を行うことが大切です

確定申告には、確定申告書、不動産の登記事項証明書、売買契約書など、いくつかの書類を揃えた上で税務署への提出が必要です。相続不動産売却における確定申告は複雑な手続きなので、間違うリスクや労力削減のためにも税理士に相談することをおすすめします。
税務相談を受けることはできませんが、不動産売却や付随する法務関係の手続きについては、適切なアドバイスができます。お困りの際は不動産業と行政書士のWライセンスの本村法務事務所へお気軽にお問い合わせください。