法定相続情報とは?わかりやすく解説
法定相続情報証明制度とは、相続関係を示す戸籍謄本と、相続関係を一覧 にした「法定相続情報一覧図」を法務局に提出することで、登記官によって認証された「法定相続情報一覧図(写し)」が交付できる制度のことです。簡単に言うと相続手続きの手間を省くことができる制度になります。
認証後は戸籍謄本の代わりとして使えるので、法定相続人が誰であるかの証明や預貯金の解約など色々な手続きにも使えます。また、申し出た日の翌年から5年間は法務局で保存され、その間法定相続情報一覧図を何度でも無料で発行できるので、戸籍謄本を何部も取る必要がなく、手続きがたくさん必要な方にはとても便利な制度です。
法定相続情報はどんな場面で使える?具体的な活用例
例えば、預貯金の相続手続きでは、法定相続情報一覧図を提出すれば、金融機関ごとに戸籍謄本を何度も準備する必要がなくなります。複数の金融機関に口座を持つ場合に便利です。
また、不動産の相続手続きや保険金の請求、有価証券や自動車の名義変更などでも戸籍謄本は必要になるので、このような手続きにも利用できます。特に、相続税の申告や取引銀行が多い方は、必要な枚数の法定相続情報一覧図を法務局から交付してもらえるので、手続きの手間を省けます。
ただ、法定相続情報一覧図は申出人以外による再発行は認められない点や、金融機関や証券会社の中には戸籍謄本の原本のみを受け付ける場合もある点には注意が必要です。
法定相続情報を取得できる人
法定相続情報一覧図は相続人自身、または相続人から正式に委任を受けた親族や専門家のみが取得可能です。
■法定相続情報一覧図を取得できる人
- 被相続人の相続人
- 上記相続人から委任を受けた親族や専門家(行政書士、弁護士、司法書士、税理士、弁理士、土地家屋調査士、社会保険労務士、海事代理士)
法定相続情報一覧図の取得、申出に費用は掛かりません。※専門家に委任する際は費用がかかります。
法定相続情報を取得するための手続き方法と必要書類
法定相続情報証明の交付手順
⚫️市役所で取得
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍
- 被相続人の住民票の除票
- 相続人全員の戸籍
⚫️自分で用意
- 申出書(法務局ホームページからダウンロード可能)
- 法定相続情報一覧図
- 申出人の氏名や住所を確認できる公的書類(運転免許証)
被相続人の戸籍は出生から死亡までの流れを読み解いていきながら集めなければならないので、書類によっては取得までに時間がかかるものもあります。
申出書には、申出人の情報や利用目的、交付通数などを記載します。
法定相続情報一覧図は家系図のようなもので、被相続人と相続人の氏名や住所、生年月日などを記載します。被相続人の「最後の住所」は住民票の除票(又は戸籍の附票)できちんと確認してから記載するなど、作成には注意が必要です。
詳しい記載方法については法務局のホームページでご確認ください。
提出先は以下の4つから決められます。
- 被相続人の最後に住んでいた住所を管轄する法務局
- 被相続人が死亡した時点での本籍地を管轄する法務局
- 相続財産である不動産が所在する住所を管轄する法務局
- 申出人が住んでいる住所を管轄する法務局
提出時には申出人の本人確認書類も必要ですので、運転免許証(両面のコピー)やマイナンバーカード(表面のみのコピー)を準備しましょう。直接法務局に行けない場合は郵送でも提出可能ですが、親族に委任する場合は続柄が確認できる戸籍謄本が必要です。
認証完了までには1~2週間かかりますが、戸籍謄本の収集や一覧図の作成を含めると、全体で2~3カ月ほどかかることを見込んでおく必要があります。登記官の確認後、認証文付きの法定相続情報一覧図が交付され、その際手続きで提出した戸除籍謄本等は返却されます。
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