相続で遺産分割協議書を作成する際の注意点について解説します!

相続は人生において誰もが経験する可能性のある大切な手続きですが、法律や手続きの内容が複雑で、中でも遺産分割に関しては、相続人同士の意見が食い違い、トラブルに発展してしまうケースも少なくありません。本記事では、長崎県で遺産相続や成年後見人などの民事法務や許認可申請等の行政手続を行う本村法務事務所が、遺産分割協議書の作成における注意点やトラブルを防ぐためのポイントを解説します。

遺産分割協議書とは?

遺産分割協議書は、相続人全員が遺産の分割方法や割合について合意した内容をまとめた書類です。

遺産分割協議書の作成は、例えば相続人が1人のみの場合や、遺言書に沿って遺産分割する場合など、相続の状況によっては不要なケースもあります。

ただ、相続の議事録としての役割も持たせられることや、相続税の申告時に取得財産の内容証明になるなど、その後のさまざまな手続きにおいても役立つというメリットもあります。

遺産分割協議書を作成する際の注意点

1:遺産を正確に記載する

遺産分割協議書には遺産を正確に記載することが重要です。遺産の種類、数量、所在地などを明確に記載することで、相続登記などの手続きをスムーズに進めることができます。

例えば、不動産や土地であれば所在や地番、地目、地積などの情報を、土地の全部事項証明書のとおり正確に記載する必要があります。

2:誰がどの遺産を取得するのかを明確に記載する

遺産分割協議書には、誰がどの遺産を取得することになったのかを、第三者が見てもわかるよう明確に記載する必要があります。

例えば、「被相続人の預貯金は、長男が指定した者が相続する」など、取得者が特定できない記載は避けてください。

このような記載では手続きを進めることが難しいうえ、後のトラブルの原因となり得るためです。

3:「その他の財産」の記載を検討する

遺産分割協議書には、「本協議書に記載のない遺産および後日判明した遺産については、相続人Aが取得する」のように、「その他の財産」について記載することができます。

この一文は重要な意味を持つため、入れるか否かを慎重に検討してください。このような記載がないと、遺産分割協議書に記載のない遺産が判明した際に、たとえ些末な遺産であっても、原則として相続人全員の押印などが必要となります。

手続きの手間を避けるため、安易にこのような一文を入れることが少なくありません。

しかし、このような記載がある場合、遺産分割協議書に記載のない遺産は原則としてAがすべて相続することとなります。

仮に価値の高い遺産があった場合、原則としてAが取得することとなるため、他の相続人にとって想定外の事態となるおそれがあります。

そのため、このような一文を入れるか否かは、被相続人に他の遺産がある可能性や相続人同士の関係性などを総合的に考慮して、慎重に検討することをおすすめします。

4:相続人を漏らさない

遺産分割協議は相続人全員で行わなければならず、遺産分割協議書にも相続人全員による署名と捺印が必要となります。

相続人が1人でも漏れた遺産分割協議書は無効となるため、相続人を漏らさないよう注意してください。

特に、被相続人に前婚の子がいる場合や婚外子がいる場合は相続人が漏れやすいためよく確認が必要です。相続人の確定に不安がある場合は、あらかじめ専門家へご相談ください。

まとめ

遺産分割協議書の作成は手続きによっては必要ないケースもありますが、遺産分割協議書自体が議事録の役割を持ったり、取得財産の内容証明になるなど役立つメリットがあります。

トラブルを防ぎスムーズに遺産分割を進めるためにも、これらの点に注意して作成してみてください。

本村法務事務所は不動産業とのWライセンスを所持しているので、相続手続き以外にも不動産の評価や売却についてのご相談など、まるっと承っています。

ぜひお気軽に、本村法務事務所へご相談ください。

上記のように、相続登記を自分で行うのは、多くの人にとって非常に難しい作業です。法律や税務の専門知識が必要なうえ、手続きには多くの書類準備や確認作業が伴います。そこで、行政書士がサポートすることで、これらの複雑な手続きをスムーズに進めることが可能となります。行政書士は相続登記に関する専門知識と経験を持ち、手続きに必要な相続関係説明図や遺産分割協議書等書類の作成を行い、皆様の負担を大幅に軽減します。安心して手続きを任せることができるため、相続に伴うストレスや不安を軽減し、確実に名義変更を完了させることができます。
※行政書士法に定める範囲外の業務につきましては、各士業へ外部委託いたします。

行政書士 本村法務事務所
代表 本村祐一

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