行政書士が相続でできること・できないことを徹底解説

大切な人が亡くなった後、相続の手続きは複雑で、何から始めたらいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。そんな時、行政書士は相続に関する様々な手続きをサポートできますが、一方でできない業務もあります。

今回は長崎県で離婚や遺産相続、成年後見人などの民事法務や許認可申請等の行政手続を行う本村法務事務所が、行政書士が相続においてできること、できないことについて解説します。

行政書士ができる相続業務

1: 遺言書作成サポート

行政書士は遺言書作成のサポートができます。具体的には、遺言者の意向を聞き取り、適切な遺言書の種類(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言)をアドバイスしたり、遺言書の内容を法的に有効な形で文章化したりします。
また、証人として公正証書遺言の作成に立ち会うことも可能です。ただし、行政書士が遺言書そのものの作成や署名を行うことはできません。

2: 相続人の調査方法

相続手続きを行う前に、まずは誰が相続人なのかを確定させる必要があります。
行政書士は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等を収集し、相続人を調査します。
戸籍は本籍地のある市区町村役場で取得できますが、被相続人が転籍を繰り返している場合、複数の役場を回る必要があり、時間も手間もかかります。

3: 遺産分割協議書の作成方法

遺産分割協議書は、相続人全員で遺産の分割方法について合意した内容を記した書類です。
行政書士は、相続人からの聞き取りに基づき、遺産分割協議書を作成します。
作成にあたっては、相続財産の評価、各相続人の相続分、具体的な分割方法などを明確に記載する必要があります。また、全ての相続人が署名捺印する必要があります。
遺産分割協議書の作成に法的な義務はありませんが、作成しておくことで後々に反対意見や法的主張が出た際も、遺産分割協議書を証拠と出来るので役に立ちます。

4: 相続財産目録の作成

相続財産目録は、相続財産の内容を一覧にしたものです。
行政書士は、預貯金、不動産、有価証券、自動車、貴金属など、あらゆる財産を調査し、目録を作成します。財産目録を作成することで、遺産分割協議をスムーズに進めることができます。
財産目録も法的義務はありませんが、相続税の申告や相続放棄など期限のある手続きの際など、作成しておくとわかりやすいので安心です。

5: 預貯金・有価証券・自動車の名義変更手続き

行政書士は、金融機関や証券会社、支局等に提出する必要書類を作成し、預貯金、有価証券、自動車の名義変更手続きを代行できます。
相続人が遠方に住んでいる場合や、手続きに時間を割けない場合などにも安心です。

6: 相続関係説明図・法定相続情報一覧図の作成

相続関係説明図は、相続人同士の関係を視覚的にわかりやすく示した図です。
法定相続情報一覧図を法務局に提出することで、相続関係を証明する公的な書類として利用できるようになります。

行政書士へ全ての業務を依頼すると費用もかさみますが、相続関係一覧図の作成や相続財産の調査など、一部の手続きだけを依頼することもできるので、相続手続きの依頼を検討中の方は、悩む前にぜひご相談ください。

行政書士ができない相続業務と他士業との連携

1: 相続税申告・相続放棄

相続税の申告は税理士の独占業務なので、行政書士が相続税の申告手続きや相談を行うことはできません。また、相続放棄は家庭裁判所に申述書を提出する必要があり、申述書の作成は弁護士または司法書士が行います。
ただ、相続財産目録の作成など相続税申告に必要な資料の準備や、申述書作成時の書類収集などは行政書士でも対応可能です。

2:調停や裁判の対応・代理交渉・法的なアドバイス

例えば、相続人同士で遺産分割協議がまとまらない場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができますが、遺産分割調停の代理人は弁護士が務め、行政書士は調停手続きに関与することはできません。

ぜひお気軽に、本村法務事務所へご相談ください。

今回は、相続で行政書士が対応できる業務と、できない業務について解説しました。
行政書士は書類作成のスペシャリストなので、遺言書の作成や相続人の調査、遺産分割協議書の作成などには対応できますが、訴訟や示談交渉、代理交渉などの法務業務に発展するケースには対応することができません。
ご自分のケースが対応できるか出来ないか迷われた際は、ぜひ本村法務事務所へお気軽にご相談ください。

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